犬はともだち

 犬は人間の1億倍といわれる嗅覚と、人間の数倍遠くの音を聞き分ける聴覚を持っています。また、足の速さでも人間を大きく上回ります。それに対して人間は、さまざまな道
具と優れた頭脳で、犬には歯が立たない大きな獲物をし止めることができます。こうした協力関係で人間と犬は結びついたのですが、犬はさらに大きなものを人間に与えてくれました。それは「安心感」です。夜の闇の中で忍び寄り、襲ってくる恐ろしい肉食獣。犬
はすぐれた鼻と耳でその気配をじ取り、人間に知らせました。すなわち、犬は人間に「安心して眠れる環境」を与えてくれたのです。
 こうした人間と犬との原初の時代のストーリーは、現代社会に生きているわたしたちには想像するのは難しいかも知れません。しかし、犬は人類にとって「狩りのパートナー」としての役割以上に、感謝すべき、重要な存在となったのです。研究者の中には「現代の人間が犬をなでると安心するのは、こうした大昔の記憶が人間たちの脳に刻まれているからだ」と解説する人もいます。いずれにせよ、今でも犬という動物が人間にとって欠かせないコンパニオンアニマルであることだけは間違いありません。